ウェブ・エリス・カップへの道

19/09/2019

9月20日、大会のホスト国である日本とロシアの試合を皮切りに、ラグビーワールドカップ2019™日本大会が開幕します。今年、最も期待されるスポーツイベントを楽しんでいただくために、一連の記事を皆さんにお届けしていきます。

ラグビーワールドカップ™(RWC)は32年前に始まった大会で、国際的なスポーツの祭典としては比較的歴史の浅いイベントです。しかし今や、地球上で最も注目されるスポーツイベントの一つに成長しました。ラグビーとは強靭な肉体とひたむきな情熱から幾多のドラマが紡ぎ出される感動に満ちたスポーツであり、勝利を手にするために知力と体力の双方が求められる、ユニークな競技でもあります。

今大会が持つユニークさ

日本全国の12都市で開催される今大会には、特別な雰囲気が漂っています。おそらくそれは、アジアで開催される初の大会であることと(ラグビー強豪国以外での開催は今回初)、予測できない大会になるという予感に満ちているからです。各チームの力は拮抗しているだけに、スリリングな試合に対する期待感は高まるばかりです。

日本国内では大会に向けたムードがすでに高まっており、誰もが代表チームを熱心に応援し始めています。9月20日に行われる日本対ロシアの開幕戦では、日本国内で2,800万人もの人々がテレビ中継を観戦すると予想されています。また世界のあらゆる国のファンが代表チームを応援しながら歴史的瞬間に立ち会うために、日本への観戦旅行を計画しています。

RWCの歴史

RWCの歴史を振り返りながら、今年の大会に出場する20ヵ国についても紹介していきます。

  • 記念すべき第1回大会は、ニュージーランドとオーストラリアで開催されました。16ヵ国が計32試合を戦い、世界にたった一つしかない小さな金色のトロフィー、ウェブ・エリス・カップ の獲得を目指しました。決勝ではニュージーランドがフランスを圧倒し、初代王者に輝きました。ちなみにこのトロフィーは、ウィリアム・ウェブ・エリスというイングランド人にちなんで名付けられました。 1823年、イングランドのラグビー校でサッカーの試合が行われている最中に、ボールを手で拾い上げてそのまま走り、ラグビーという競技が誕生しました。

  • RWC第2回大会は北半球に会場を移し、イングランド、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、そしてフランスで共催されました。前回大会で見られたような一方的な展開の試合は影を潜め、代わりに西サモアやカナダなどが台頭。大会はさらに興味深いものになりました 。両チームは共に準々決勝に進出。特に西サモアはウェールズやアルゼンチンを破って、決勝トーナメントに勝ち上がっています。全世界のテレビ視聴者数も1987年には約3億人だったものが、1991年には14億人に急増しています。イングランドのトゥイッケナム・スタジアムで行われた決勝では、オーストラリアがイングランドに12対6で勝利を収めました。

  • RWC 1995は、それまで出場が認められていなかった南アフリカがアパルトヘイトの廃止を受けて、初めて参加した大会となりました。「One Team, One Nation (一つのチーム、一つの国家)」というスローガンを掲げ、情熱と威厳を持って戦ったホスト国の南アフリカは、人々や社会を巻き込みながら多様な人種を一つに束ねることに成功し、ラグビーというスポーツの持つ力が明らかになった大会でもあります。南アフリカは、ニュージーランドとの決勝に挑みネルソン・マンデラ大統領が母国を一つに団結させるべく、南アフリカを象徴する緑色のジャージを身につけてピッチに立つという有名なシーンも見られました。南アフリカは延長戦でドロップゴールを決めて優勝。マンデラ大統領がグラウンド上で自国選手にトロフィーを手渡した瞬間、会場のエリス・パークは「ネルソン!ネルソン!ネルソン!」という大歓声に包まれました。こうして南アフリカ大会は、RWCの歴史にとってきわめて重要な節目となっただけでなく、南アフリカという国家にとっても、感動的なものとなったのです。

  • 4度目のRWCは、ラグビーがプロ化の時代を迎えてから初めて開催された大会となりました。世界中で関心が高まったことと、ラグビーというスポーツが新たなステータスを得た結果、大会に参加するチームは16から20へと増加しています。英国のウェールズを中心に開催された本大会では、ニュージーランドが優勝候補に挙げられており、再びタイトルを手にするだろうと予想されていました。ところが準決勝でニュージーランドと対戦したフランスは、誰もが予想しなかった反撃を展開。10対24でリードされていた状況を覆し、43対31で逆転勝利します。ただし決勝ではオーストラリアがフランスを圧倒し、35対12で勝利を収めました。

  • オーストラリアで開催されたRWC2003、前哨戦で好調であったイングランドが初めて優勝候補として大会に臨みます。過去のRWCでは必ずしも結果を出せていなかったイングランドが強い結束力とチームスピリットで奮闘し、ホスト国オーストラリアとの決勝まで駒を進めました。決勝では、いくつもの見せ場や手に汗握る展開が続く中、延長戦も残すところわずか26秒となったところで、イングランドのジョニー・ウィルキンソンがドロップゴールを決めて勝ち越しとなる3ポイントを追加。イングランドが20対17で、歴史的な勝利を収めました。RWC2003は、それまで南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドという南半球のチームが優勝を独占していた状況を打破し、北半球のチームが初めてウェブ・エリス・カップを頭上に掲げた大会となったのです。

  • フランスで開催された第6回大会、世界的な関心を集め、全48戦で40億人の視聴者を記録しました。この大会で、フランスは再びニュージーランドを撃破。本大会は準々決勝が舞台となりましたが、ニュージーランドはアウェーでは勝利を手にできないというジンクスが浮き彫りになります。前回優勝したイングランドは決勝に進出して周囲の期待を上回りましたが、パリのスタッド・ド・フランスで行われた決勝では、南アフリカに6対15で敗れました。

  • 2011年の大会前、ホスト国であり優勝候補でもあったニュージーランドを悲劇が襲います。ニュージーランドで2番目に大きな都市であるクライストチャーチで地震が発生し、185人の方々が犠牲となりました。しかしニュージーランドの人々は一致団結して復興に取り組み、逆境に屈せずにすばらしい大会を開催します。地元の人々が情熱的に応援し続ける中、ニュージーランドは決勝でフランスに8対7の僅差で勝利を収め、見事に期待に応えました。こうしてニュージーランドは、長らく待ち望んでいた2度目のラグビーワールドカップ™制覇を、ついに実現させたのです。

  • ラグビーの母国であるイングランドは、2015年に待望のRWC自国開催を果たしました。国際都市であるイングランドには、各出場国のファンが多く存在しているため、すべての試合がドラマチックな雰囲気に包まれました。大会開幕前に、すでに247万枚のチケットが完売。これはイングランドとウェールズの13会場で開催された全48試合で、収容人数の98%に相当します。かくしてイングランド大会は、記録破りのトーナメントになりました。一方、ソーシャルメディアも大きな役割を果たします。世界のどこにいても大会に参加できる、新たな観戦スタイルが確立されたのです。ところがイングランドはRWCの歴史において、予選敗退した初のホスト国となってしまいます。

     

     

     

     

     

     

     

    ただし、それ以上に大きな番狂わせは、イングランドの南海岸の小さな町、ブライトンスタジアムでの試合です。日本チームは有力視されていなかったにもかかわらず、国の違いを超えて、会場にいたすべての観客が身を乗り出すようなエキサイティングなプレーを展開。過去2回優勝経験のある南アフリカを破って、歴史に名を刻みます。一方、ニュージーランドは決勝まで順当に実力を発揮。ジンクスを破りラグビーの母国で2連覇を達成してトロフィーを持ち帰っています。

RWC 2019大会の見通し

今回のRWCを開催する日本は、特に注目すべき存在といえるでしょう。ラグビー界の勢力図が塗り替えられつつあることを象徴すると同時に、アジアの文化とホスピタリティの精神を世界中に披露する役割を担っているからです。見どころ豊富で手に汗握る試合が繰り広げられる舞台は整っています。これほど多くのチームがタイトル獲得を狙っている大会は、かつてありません。熱心なファンの応援と自国開催のアドバンテージをもつ日本は、プール戦を突破して初の決勝トーナメントに勝ち進むべく、間違いなく最高の試合を展開してくれるものと期待しています。オーストラリア、フランス、南アフリカの3チームは、過去数シーズンはかつてのように安定して勝ち星を挙げることができていませんが、RWCでは伝統的な強豪国であり、決して侮ることはできません。2015年大会で残念な成績に終わったイングランドは雪辱を期していますし、ウェールズとアイルランドはこれまでで最も高い世界ランキング (それぞれ2位と3位)で大会に出場。もちろん世界1位にランキングされ、ラグビー界に君臨し続けてきたニュージーランドは、大会3連覇を狙うチームとして優勝候補の本命に目されることになるでしょう。

ラグビーワールドカップへの道をともに ~JOIN THE JOURNEY~

選手としてプレーした経験や、あるいはこれまでラグビーを見たことがなくとも、RWC 2019日本大会は誰にでも楽しめるスポーツの祭典です。9月20日に東京スタジアムで開幕し、試合の模様が世界中で放映されます。アジアで初開催となるRWCは、ラグビーの発展にとって非常に重要なものになるだけでなく、新しい観客や若い選手たちを惹きつけていく役割も担うでしょう。ラグビーの熱気が日本全体を包み込もうとしています。熱戦の火ぶたが切って落とされる瞬間が待ちきれません!

Paragraph Separator red

 

ソシエテ・ジェネラルのソーシャルメディアをフォローして、ラグビーワールドカップ2019への一生に一度の道を私たちとともに歩んでいきましょう。


#BecauseWeLoveRugby
#JoinTheJourney
8月 2025
2025年第2四半期決算
パリ、2025年7月31日
Societe Generale Group
パリ、2025年7月31日
2025年第2四半期決算
8月 2025
ソシエテ・ジェネラル、ジェローム・二ダムを アジア太平洋地域最高経営責任者に任命
ソシエテ・ジェネラル、ジェローム・二ダムをアジア太平洋地域 最高経営責任者に任命
プレスリリース
ソシエテ・ジェネラル、ジェローム・二ダムをアジア太平洋地域 最高経営責任者に任命
ソシエテ・ジェネラル、ジェローム・二ダムを アジア太平洋地域最高経営責任者に任命
5月 2025
2025年第1四半期決算
パリ、2025年4月30日
Societe Generale Group
パリ、2025年4月30日
2025年第1四半期決算
2月 2025
日本のエネルギー・トランジションに向けて「東」と「西」を結ぶ
昨年ソシエテ・ジェネラルがグローバルロードショーの一環として開催した「ポジティブ・インパクト・デー」の東京会場では、日本の脱炭素化政策と国際的なパートナーとしての役割について、最新の動向を踏まえた活発な議論がなされました。
Expert views
昨年ソシエテ・ジェネラルがグローバルロードショーの一環として開催した「ポジティブ・インパクト・デー」の東京会場では、日本の脱炭素化政策と国際的なパートナーとしての役割について、最新の動向を踏まえた活発な議論がなされました。
日本のエネルギー・トランジションに向けて「東」と「西」を結ぶ