活況を呈する東京の商業不動産市場とグローバル投資家をつなぐ
東京の商業不動産市場は、アジア太平洋地域で最も底堅く、需要が旺盛で収益率の高い投資先の一つとなっています。
サヴィルズ社の業界レポート1によると、都心5区におけるグレードAオフィスの賃料は、2019年第2四半期に前四半期比2.4％、前年同期比7.3％上昇した一方、空室率は同期に0.3％まで低下しました。海外の投資家は東京の商業不動産市場に強い関心を示しており、海外と日本の金融機関による緊密な連携が重要な役割を果たしています。
日本では、東京および首都圏の不動産はレンダーから最も魅力的な融資先とみなされており、CBREのレポート2によるとオフィスを最も魅力的な融資先と回答した割合が2018年の54％から2019年には64％に上昇するなど、オフィスは依然人気の高い資産タイプとなっています。実際、2019年第2四半期の商業不動産取扱高は前年同期比60％増の8,610億円（73億ユーロ）となり、CBREが2005年にこの調査を開始して以来、第2四半期の合計額としては4番目に高い数字を記録しました3。
こうした背景の中、ピーターソン・グループが東京都心部で5件のオフィスビルを取得したことはいっそう注目を集めることになりました。ピーターソン・グループは香港の同族経営による非公開企業で、不動産投資の分野においては世界的に知られています。今回の取得により、同グループは需要の高い東京のオフィス市場への参入を果たしました。さらに投資戦略の一環として、これまで稼働率の低かった物件はリノベーションによって生まれ変わり、潜在的テナント獲得への訴求力を高め、高額賃料の収入確保を目指しています。
取得に際してソシエテ・ジェネラルは、ピーターソン・グループの不動産アセットマネジメント委託先であるイデラキャピタルマネジメント（IDERA）から単独主幹事、単独アンダーライター、シニアレンダーに指名され、72億5,000万円（5,800万ユーロ）の融資を実施しました。
同案件を率いたソシエテ・ジェネラル銀行東京支店不動産ファイナンス部長の新川将臣は次のように述べています。「日本のオフィス市場は安定しており、イールドギャップ（不動産投資と国債の利回り格差）は諸外国と比べて魅力的です。加えて、キャップレート（還元利回り）は縮小しているものの、オフィス賃料はなお上昇する余地があり、東京ではオフィススペースの大量供給がほぼフルに吸収されているため、投資家にとって東京のオフィスに投資する機会を見出すのがかなり厳しくなっています。こうした状況の下、今回の取引では異なる市場間の取引を実現できるソシエテ・ジェネラルのクロスボーダーでの専門性とグローバルチームの強みが存分に発揮されました」。
また、「これまでソシエテ・ジェネラルとピーターソン・グループは5件の取引を実施しており、今回の東京でのオフィスビル取得は欧州で4件の取得を成功させた後の、アジア初の案件となります。今後も、ソシエテ・ジェネラルとはパートナーシップ関係を維持し、新たな地域で有望な不動産プロジェクトを見出してくれるものと期待しています」、とピーターソン・グループ最高経営責任者であるトニー・イェン氏は述べています。
今回の取引は、日本のソシエテ・ジェネラルの不動産ファイナンスチームが日本における専門知識とネットワークを活かし、中国・復星集団（フォースン・グループ）の日本における不動産投資部門であるIDERAとともに、グローバルな不動産投資会社のピーターソン・グループをサポートした結果として実現しました。復星集団は、中国と海外市場における成長を融合させる「グローカリゼーション2.0」の投資モデルを積極的に推進し、世界水準の投資グループになることを目指しているコングロマリットです4。
好調に推移する日本のオフィス市場は、グローバル投資家にとって大きな収益の機会になると見込まれています。また、今回のポートフォリオ・ファイナンス取引の成功は、投資効果を最大化するうえで、グローバルとローカル双方のパートナーの協力関係がいかに重要であるかも物語っています。
イデラキャピタルマネジメントの角野治美氏は、「今回の取引は、東京の活発なオフィス市場への投資が奏功していることを示しています。ソシエテ・ジェネラルとの強力なパートナーシップによる最新の案件であり、この取引は当社の不動産投資ポートフォリオの価値を大きく高めるものになると確信しています」、とコメントしています。
1. http://pdf.savills.asia/asia-pacific-research/japan-research/japan-office/joff06-2019.pdf
2. https://www.cbre.co.jp/en/about/media-centre/2019-lender-survey
3. https://www.cbre.co.jp/en/about/media-centre/cbre-japan-investment-marketview-q2-2019
4. http://ir.fosun.com/
The Asset Triple A Sustainable Finance Awards recognises institutions and corporates’ collective efforts in promoting...
A first-of-its-kind solar project in Japan could serve as a template for the use of virtual power purchase agreements*...
As stakeholders push companies to become more sustainable, technology, regulation and national support measures are all...
A dazzling economic and exporting success story, Korea can maintain its momentum if its companies adopt greener...