
利益相反管理方針の概要
2021年10月
ソシエテ・ジェネラル証券株式会社
1. 目的
金融機関の提供するサービスの多様化や、世界的な金融コングロマリット化の進展に伴い、金融機関内またはグループ内において、競合・対立する複数の利益が存在し、利益相反が発生する恐れが高まっています。こうした状況の中で、ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 (以下「当社」という)においても、顧客の利益が不当に害されることのないよう、利益相反のおそれのある取引(以下、第2条で定義するように「対象取引」という。)を管理することが求められています。当社は、金融商品取引法(昭和23年4月13日法律第25号)上の有価証券関連業を行う第一種金融商品取引業者として、これらの法令に基づく利益相反管理体制の整備において求められる利益相反管理規程(以下「本規程」という)を策定しています。
2. 利益相反管理の対象
「親金融機関等」とは、当社の親法人等、親法人等の子法人等、又は親法人等の関連法人等のうち、金融商品取引業者、銀行、保険会社又は外国の法令に準拠して外国において金融商品取引業、銀行業若しくは保険業を行う者のいずれかに該当する者をいいます。
なお、親金融機関等に含まれる主な金融機関は以下の通りです。
・ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店
・ソシエテ・ジェネラル・オスマン・マネジメント株式会社
・ソシエテジェネラルエアクラフトリーシング株式会社
・ソシエテ・ジェネラル
「利益相反」とは、当社及び親金融機関等(以下、併せて、「当社等」という。)の客観性や中立性が損なわれるおそれのあるような利益の競合が存在すること、或いは利益の競合のおそれのある状況をいいます。利益相反は、当社等と顧客の間、又は当社等が複数の顧客のために対象取引を行う場合において、当社等の顧客と他の顧客との間、で生じる可能性があります。
「顧客」とは、当社等の行う金融商品関連業務に関して、既に取引関係にある相手方、取引関係に入る可能性のある相手方をいいます。
「対象取引」とは、当社及び/又は親金融機関等が行う取引のうち、顧客の利益を不当に害するおそれのある取引をいい、対象取引の類型は、後掲のとおりとします。 同類型は包括的なものではなく、対象取引の特定にあたっては同類型を参考にして判断されるものといたしますが、当社等のレピュテーション・リスク等の事情も総合的に考慮するものとします。
3.利益相反管理体制
利益相反管理に関する全社的な管理体制を統括するため、当社コンプライアンス本部を利益相反管理統括部署とします。
なお利益相反管理統括部署は、営業部門から独立し、営業部門からの指揮命令は受けません。
4.利益相反管理の方法
利益相反管理にあたっては、対象取引の特性に応じ、以下に掲げる方法を選択し、又は組み合わせることにより、当該顧客の保護を適正に確保するものとします。
- 対象取引を中止する方法、又は当社及び/又は親金融機関等が当該顧客と他の取引(以下、「他取引」という)を行う場合、当該顧客との他取引を中止する方法、
- 対象取引に伴い、当該顧客の利益が不当に害されるおそれがあることについて、当該顧客に適切に開示し、当該顧客の利益を保護するための利益相反の管理方法を通知し、当該顧客からの同意を得る方法、
- 対象取引を行う部門と当該顧客との他取引を行う部門との間の情報伝達を遮断し、それぞれの業務が完全に別個に行われるようにする方法、
- 対象取引又は当該顧客との他取引の条件又は方法を変更する方法、
- その他の方法
顧客への開示を行う場合は、顧客の属性、取引の内容その他の諸事情を考慮し、必要に応じ、利益相反の内容、当該取引を行う理由等顧客の属性に応じた事項を明確・公正に開示した上で顧客の同意を得る等の方法を取らなければならないこととしています。
5.利益相反のおそれのある取引の類型
「利益相反のおそれのある取引」の類型としては以下のものが考えられます。しかし、これらの類型は、あくまで「利益相反のおそれのある取引」の有無の判断基準に過ぎず、これらに該当するからといって直ちに「利益相反のおそれのある取引」となるわけではないことにご注意ください。なお、必要に応じ、将来の追加・修正がありうることにご注意ください。
- 助言やアドバイスを通じて、顧客が自己の利益を優先させてくれると合理的な期待を抱く場合(忠実義務型)。
- 顧客の犠牲により、当社又は当社関係者が経済的利益を得るか又は経済的損失を避ける可能性がある場合(忠実義務型)。
- 顧客以外の者との取引に関連して、通常の手数料や費用以外の金銭、財貨若しくはサービスの形で誘因を得る場合、又は将来得ることになる場合(忠実義務型)。
- 当社等が保護すべき顧客を相手方とする取引をする場合(自己代理型)。
- 当社等が保護すべき顧客の取引相手の側に立つ取引をする場合(双方代理型)
- 当社等が保護すべき顧客の取引相手との間の、顧客と競合する取引をする場合(競合取引型)。
- 当社等が保護すべき顧客の非公開情報の利用等を通じ、自己の利益を得る取引をする場合(情報利用型)。
- 当社等が同一取引に複数の立場で関与することにより、通常の取引と同様の条件の取引が期待できない場合(取引の内部化型)。
なお、当社等は、利益相反に該当するか否かの判断において、当社及び当社グループのレピュテーションに対する影響がないか等の事情も考慮いたします。
6.利益相反のおそれのある取引等の具体例
利益相反のおそれのある取引等の取引例としては、以下に掲げる者及びこれらに類する取引が考えられます。
- 顧客に対し資金調達やM&Aに係る助言等を提供する一方で、当該顧客に対するプリンシパル投資や貸付、当該顧客から資産の購入その他の取引を行う場合
- 有価証券の引受けを行いながら、他の顧客に当該有価証券の取引の推奨を行う場合。
- 当社グループ会社が発行又は組成する有価証券、又は自己勘定において保有する有価証券を顧客に推奨・販売する場合
- 対立関係にある複数の顧客に対し、資金調達やM&Aに係る助言等を提供する場合
- 顧客に有価証券発行に関する助言等を行いながら、他の顧客に当該有価証券の取引の推奨を行う場合
- 競合関係にある複数の顧客に対し、資金調達やM&Aに係る助言等を提供する場合
- 有価証券に係る顧客の潜在的な取引情報を知りながら、当該有価証券について自己勘定取引を行う場合
- 顧客から売買注文を受けた有価証券等について、自己勘定取引、引受けへの参加又は受託者・運用者等を通じ、何らかの関与をしている場合
- 当社等がグループ内の金融機関等に注文を出す場合、或いは同金融機関から注文を受ける場合等、当社グループ内において、取引の内部化が行われる場合
- 顧客に引受け又は有価証券発行に関する助言等を行いながら、他の顧客に当該有価証券の取引の推奨を行う場合
- 当社グループ会社が発行又は組成する有価証券、又は自己勘定において保有する有価証券を顧客に推奨・販売する場合
- 有価証券に係る顧客の潜在的な取引情報を知りながら、当該有価証券について当社の他の顧客に推奨・販売する行為、もしくは自己勘定取引を行う行為
- 利害関係者が発行又は組成する有価証券を顧客に推奨・販売するに際し、自らバック・ファイナンスを行うことになってしまう場合
- 当社による社債引受け等において発行者から銀行が貸付金の回収を行い、投資家にリスクを転嫁することになってしまう場合
- 当社等の従業員が、顧客の利益と相反するような影響を与えるおそれのある贈答や遊興(非金銭的なものを含む。)の供応を受ける場合